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.2016年7月に、ユネスコの世界文化遺産に登録されたル・コルビュジエは、パリを拠点に活躍した建築家で、近代建築三大巨匠のひとり と呼ばれている。今回登録された17作品は、フランス、スイス、ベルギー、ドイツ、アルゼンチン、インド、日本の7カ国が共同で推薦され、 カッシーナ・イクスシーでは、世界遺産登録を記念してコルビュジエの作品をご紹介しております。
フランスで生まれた建築家・デザイナーのシャルロット・ペリアンは、1927年にサロン・ドートンヌに出品した『屋根裏のバー』が認められたことによりル・コルビュジエのアトリエに入ります。そこで、ル・コルビュジエの甥であるピエール・ジャンヌレと3人で共同でデザインをはじめました。アトリエには、かの前川國男や坂倉順三も机を並べていました。数々の名作家具は、この3人が出会ったことによって生まれたといって過言ではありません。この度、世界文化遺産の一つに選ばれた、日本の西洋美術館の建設には、ル・コルビュジエが設計者として指名され、1955年(昭和30年)に来日し、建設予定地を視察。ル・コルビュジエが提出した基本設計を補足するため、細部にわたる実施設計は、ル・コルビュジエに師事した前川國男、坂倉準三、吉阪隆正の3人の弟子が協力して行いました。
〈開いた手〉は、ル・コルビュジエが描き続けた代表的なモチーフの一つです。 この開いた手というのは、あらゆるものを与え、そして受けとることを意味しており、調和の象徴を表しています。また、触覚を大切にした彼の大きな手をも意味し、「すべての人類、そして地球上のすべての国家の間の兄弟愛と団結に訴えかける身振り」であると彼は語っています。ル・コルビュジエは、今回世界文化遺産に選ばれたインドのチャンディガールの紋章として残すことで、この街に調和を呼び覚まそうとしたのです。
スイス生まれのフランス人建築家、ル・コルビュジエ(シャルル=エデュアール・ジャンヌレ)は、20世紀を代表する近代建築理論家の巨匠。彼の急進的な建築、都市計画、家具の設計は、実用的な機能を肯定する独自の機能主義の理論に基づいて生まれました。1920年代以降の彼のデザインは、インターナショナル・スタイルの基礎となっています。また、家具デザインの大部分は、従兄弟であり建築のパートナーであるピエール・ジャンヌレと、シャルロット・ペリアンとの共同作業から誕生しました。3人が1928年にデザインした金属製の家具はたちまち全世界で成功を収め、今でも傑作として人気を集めています。