DESIGN STORY
ジオ・ポンティとカッシーナ社との関係は家具業界においてエポックメーキングでした。デザイナーと職人が議論を重ね何度もテストを繰り返し、オリジナルのデザインが持つ味わいを損なうことなく製品を生み出す共同作業が行われることで、完成度の高い製品が生産することが可能となりました。50年代699(スーパーレジェーラ)の登場によってカッシーナ社の名声は揺るぎ無いものになります。
◀ 写真:堅固さと軽さを証明するため、椅子を高所から落下させている様子。
軽量な椅子を作るという目的のため、極限まで削ぎ落とされたフレームはアッシュ材の固有の軽さと柔軟性を活かしており、座り部分の周囲はより緻密で強固なブナ材を使用しています。木製部品は機械で作成された後、手仕上げされ、座り部分も職人による手編みで生産されています。こうして、職人技術と産業革新が結集し、イタリア北部のリグーリア州チャヴァリの椅子製造の伝統に基づいた “prime object”と呼べるものが生まれました。
ジオ・ポンティは、スーパーレジェーラをミラノのピレリタワーと、ターラントのコンカテドラーレ教会と並ぶ、彼がデザインした3つの傑作の中の1つと認めています。