
本と出会うための本屋
『文喫』のブックディレクターが選ぶ
このソファで読みたい本
MARALUNGA

東京・六本木にある「文喫」は、喫茶室を併設し、ゆっくりと本を選ぶ時間を楽しむことをコンセプトとした“本と出会うための本屋”。そんな「文喫」のブックディレクターがマラルンガソファの置かれた空間と持ち主の暮らしを想像しながら、それぞれのソファで読みたい本をセレクトしてくれました。

レザー張りのソファを、
長く大切に使っていく
いつも触れる場所には艶が出て、使い込むほどに風合いを増すなめらかなレザー。経年変化を楽しみながら長い時間を共に歩めるレザーを、ソファの張り地に選んでみませんか?
新たにラインナップに加わった「FZZランク」のレザーは、しっとりと吸い付くような手触りで、革が本来もつ風合いを堪能できる極上のフルグレインのアニリン仕上げ。肌に触れたときの柔らかな感覚は、ソファでのくつろぎの時間と繋がり、いつしか幸せな記憶になっていくはずです。


世代を超えて受け継ぎたい、
家族の居場所
数年前に友人の家に招かれ、初めて座った「MARALUNGA」。沈み込むようでいながら柔らかな弾力もあり、その座り心地のよさに思わず長居をしてしまったことを思い出す。それからもあの時の座り心地が忘れられず、引っ越しを機に思い切って手に入れることにした。張り地に選んだのは、柔らかなレザー。しっとりとしたレザーは、ハイバックにして頭を預けたときや、アームレストを枕にして寝転がり、何気なく投げ出した手足に触れる感覚も心地いい。もちろんそれなりに値は張るものだが、名作デザインを見る度、使う度に感じる満足感、そしてこれからレザーの風合いが増していく楽しみを思うと、もっと早く手に入れればよかったと思う。
そしてこのソファの心地のよさは、ブランドやデザイナーなどの先入観を抜きにして、子どもにも直感的に分かるらしい。中学生になる娘も自室があるというのに、家にいる時間の大半は結局リビングのソファで長い時間を過ごしている。私が大切にしていることを知っているから、彼女もソファの扱いには気を遣っているようだ。美しく機能的なデザインと上質な素材、クラフトマンシップ。親の自己満足かもしれないけれど、本物に触れる経験を与えられたこともよかったと思う。この先もずっと使っていきたい私たちの思い出が詰まったソファ。いつかは張り替えも必要になるだろうけれど、やがてここに孫が座る日もくるのだろうか。娘と並んで腰掛け本を読みながら、そんなことを考える幸せもソファと一緒に手に入れたのだと気がついた。


ソファの常識を変えた、
アイコニックな名作
1973年の発表以来、カッシーナのベストセラーであり続ける「MARALUNGA」。折りたたみ式の背もたれによって、ハイバック・ローバックと2WAYで使うことができるユニークなソファです。デザインを手がけたのは、イタリアデザイン界を牽引し続け、その基盤を築いたひとりであるヴィコ・マジストレッティ。アイコニックな背もたれの内部には、彼が自転車用チェーンにヒントを得て開発したメカニズムが組み込まれています。さらに身体を優しく包み込むような座り心地も、愛され続ける理由のひとつ。シリーズには、エッジにパイピング加工を施した「MARALUNGA 40-S / 40」や、幅が35%、奥行きが10%大きくよりゆったりとした「MARALUNGA 40-MAXI」も。







『薔薇の名前(上下巻)』
著 ウンベルト・エーコ(東京創元社)
読書のあらゆる楽しみが、ここにはある。イタリアを代表する作家であり学者の、全世界を熱狂させた文学史。
「デザイン界の名作中の名作、誰からも愛されるベストセラーのソファとあったので、それなら文学界でそれにあてはまる作品を、と思い選びました。ミステリ好きには定番となっている本ですが、ストーリーで読ませながら引用される知識の広さ、言葉遊びの楽しさは読むたびに発見があります。イタリア生まれの馴染まれるのに古びない傑作! そして『MARALUNGA』に座った時『もう立ちたくない』と思ったので、できるだけ長い本にしたくて上下巻の長編物にしました。一気読みできると思います、『MARALUNGA』なら」

『生きて、語り伝える』
著 ガブリエル・ガルシア・マルケス(新潮社)
何を記憶し、どのように語るか。それこそが人生だ。作家の魂に驚嘆の作品群を胚胎させた人々と出来事の「記憶」の数々。物語るために生きてきた男、ガルシア=マルケスの自伝。
「革新的な構造でベストセラーになった『MARALUNGA』から、マジックリアリズムの旗手であり、ノーベル文学賞作家のガルシア=マルケスをイメージしました。日常と幻想が美しく確かに結びついた物語たちの源泉を感じさせる、読み応えのある本です。どっしりと分厚い自伝ですが、魅力的な語りで、自分の知らない世界に浸ること、読むことの楽しさを思い出させてくれます。記憶が物語の種であることが意識されるので、これを読むと、ソファの革に見つけた傷や経年変化から想像が広がりそうです」
ABOUT BUNKITSU

東京・六本木にある「文喫」は、喫茶室を併設し、ゆっくりと本を選ぶ時間を楽しむことをコンセプトとした“本と出会うための本屋”です。
〒106-0032
東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1F
TEL03-6438-9120
営業時間9:00~20:00(L.O.19:30)
入場料 1,650円(税込)
※土日祝は1,980円(税込)
http://bunkitsu.jp/

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