DESIGN STORY
1970年代、ヴィコ・マジストレッティは彼の最も有名なモデルの一つを完成させ、コンパッソ・ドーロ賞の受賞者として高く評価されました。 マジストレッティがマラルンガのプロトタイプをチェーザレ・カッシーナに披露した際、極上の快適さというチェーザレの要求を完全に満たしていなかったため、チェーザレが握りこぶしでプロトタイプを殴ったという逸話があります。結果としてソファの背中が壊れたことは、マジストレッティが必要としていた導きとなりました。不格好な動きが、この伝統的なソファをより革新的にする直観的なアイディアを彼に示したのです。その時彼はこう言いました。「そうだ、すばらしい、これで完璧になったようだ。」
THE MAGIC OF MOTION,
INNOVATION OF COMFORT
マラルンガは、見る見るうちに国際市場に大きな影響力をもった製品として地位を確立しました。シンプルな自転車用チェーンから開発されたメカニズム、安心感のある見た目、柔らかなパッディングのシンプルさにより、ヘッドレストがハイバックからローバックに変化する革新的な動きは最も突出した特徴となっています。
ヴィコ・マジストレッティは次のように述べています。
「マラルンガでの私の意図は、インテリア建築のすべてを象徴する親近感のあるオブジェをデザインすることでした。暖炉や窓辺に引き寄せられ、どこかなつかしく、くつろげる読書用アームチェアに包み込まれ心から安らぎを感じることのできる、温かく、快適で居心地の良い場所は、2つのポジション、2つの用途、2つの異なる方法で、部屋の中に自分だけのパーソナルスペースを作り出します。」
このデザイン意図を体現したマラルンガソファは、素晴らしい座り心地や、あらゆる環境・条件の空間にも調和する汎用性の高さから、発売以来カッシーナのベストセラーとなりました。
A LONG TERM RELATIONSHIP
WITH CASSINA
カッシーナとヴィコ・マジストレッティのパートナーシップは1960年代初頭にCARIMATEチェアの製造からスタートし、このチェアはすぐにカッシーナのカタログに加わりました。この頃カッシーナは職人による手工業生産から工業生産へとシフトしたタイミングで、イタリアで工業デザインを立ち上げるため、様々なビジョンをもつデザイナーたちに門戸を開いていました。 ヴィコ・マジストレッティとウンベルト・カッシーナ、チェーザレ・カッシーナの関係は、真の巨匠からの才能とクリエイティビティの絶え間ないやりとり、そして先駆的企業の専門性と卓越した生産能力により、仕事上でも個人的にもより一層強い結びつきとなっていったのです。
ヴィコ・マジストレッティは2023年、50周年を迎えるカッシーナ イ・マエストリコレクションのマエストロに加わりました。カッシーナはヴィコ・マジストレッティに敬意を表し、発売50周年を迎えたMARALUNGAソファの、エクスクルーシブエディション「MARALUNGA 50(マラルンガ・フィフティ)」を発表しています。