2020.05.22Hommage a Pierre Jeanneret
Hommage à Pierre Jeanneret
常に偉大な建築家の作品を研究することに従事してきたカッシーナは、このコレクションをピエール・ジャンヌレへのオマージュとして発表。本コレクションは、ピエール・ジャンヌレがチャンディガールのためにデザインした家具を忠実に製作し一つにまとめ上げたものです。ピエール・ジャンヌレは地元と密接に触れ合う生活体験を通じ、モダンなヨーロッパの理想と伝統的なインドの精神を組み合わせ、シンプルな素材を用いて本質的なフォルムを生み出すに至りました。彼は実際、ル・コルビュジエによって設計されたこの都市の建設においてチーフアーキテクトを務めた重要な人物であり、その家具の大部分の著作者と考えられています。
ピエール・ジャンヌレはチャンディガールの家具デザインにおいて重要な役割を果たしたと考えられています。ル・コルビュジエ財団のサポート、ならびにピエール・ジャンヌレの意匠継承者の合意のもと、カッシーナはキャピトル・コンプレックスの家具の研究を始め、ピエール・ジャンヌレにインスパイアされたこれらのモデルの製造を実現しています。
ヨーロッパの理想とインドの精神が融合
その土地の風土や文化を尊重しつつヨーロッパのような近代都市デザインが組み込まれた都市、インド・チャンディガール。その政治と行政の中心であるキャピトル・コンプレックスのためにデザインされた一連の家具には、インド伝統のクラフトマンシップの中にモダンさが垣間見えます。異なる文化の融合。インテリアにこういったアイテムが加わることでコーディネートはより複雑な魅力をまとい、多様化する現代のライフスタイルに寄り添うものとなっていくのです。
チャンディガールは、北西インド、ヒマラヤ山脈山麓部に位置します。ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレによる都市計画で世界的に知られ、モダンな建築が数多く存在します。キャピトル・コンプレックスとは、彼らが設計した行政機関やモニュメントが集まるエリアを指し、高等裁判所、立法議会棟、行政庁舎、オープン・ハンド・モニュメントと呼ばれる建造物があります。2016年に世界遺産に登録された「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一部にもなっています。
建築家が描いた理想都市
スイスの建築家、デザイナーであるル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレは従兄弟にあたり、1922年からパートナーとして事務所を設立。後に入所したシャルロット・ペリアンの3人でLCシリーズに代表される名作家具のデザインを手がけています。 1951年からインドの独立と近代化を記念し実施されたチャンディガールの都市計画は、当時の首相ネルーから指名され、ル・コルビュジエが請け負いました。ピエール・ジャンヌレを含めた建築家グループとともに彼が自らの建築と都市の理論を試す重要な機会となりました。2016年、ル・コルビュジエの建築作品群のひとつとしてユネスコの世界文化遺産に登録されています。
ル・コルビュジエによるチャンディガールのマスタープラン。ル・コルビュジエは都市を人間の身体として捉え、パンジャブの新しい首都の政治および行政の中枢であるキャピトル・コンプレックスがその頭部になると考えました。そこは高等裁判所、行政庁舎、立法議会棟からなる大きな3つの記念碑的ブルータリズム建築で構成されています。 これらは、肺に見立てた緑地公園、静脈や動脈のような大通りの整然としたシステムをともない、50以上の部分的に自立した区域からなる碁盤目の胴体とつながっており、都市のスムーズな循環を請け負っています。
2/立法議会棟
3/オープン・ハンド・モニュメント
4/高等裁判所